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これだけは気をつけて!危ない譜読みの仕方

楽譜を読むことは、音楽を奏でる鍵となります。

しかし、誤った譜読みは演奏に混乱を招きかねません。

今回は、楽譜を正確に読むためのポイントを専門的な観点から、具体例を交えながら紹介しましょう。

素敵な演奏のためのヒントとなりましたら幸いです♪

1. 拍子記号と拍子感を確認しよう

楽譜の世界に足を踏み入れると、まず最初に出迎えてくれるのが拍子記号です。
これは楽譜冒頭に書かれ、音楽のリズムやテンポを示すものです。

こちらは8分の3拍子(上)と4分の2拍子(下)。皆さんが今弾いている曲もチェックしてみましょう。


例えば、4/4拍子や3/4拍子といった2つの数字の組み合わせ。

4/4拍子は、四分音符が1小節に4つ入るリズムを表しています。これは多くのポップスやクラシック曲で見られる拍子記号で、一般的な拍子の一つです。

一方、3/4拍子では四分音符が1小節に3つ入り、ワルツやクラシック曲でよく使われます。6/8拍子や12/8拍子というものもあります。

拍子記号を見逃すことなく理解することは、曲のリズム感を把握する鍵と言えるでしょう。

大げさな例を示すと、ベートーヴェンの「交響曲第九番(通称“第九”)」。

全4楽章からなる壮大な楽曲ですが、日本でも有名な『歓喜の歌』に至るまで、4楽章だけ眺めてみてもなんと9回も拍子が変わっています!

開始 Presto / Recitativo ニ短調 4分の3拍子 
→Allegro ma non troppo ニ短調 4分の2拍子
→Vivace ニ短調 4分の3拍子 ②
→Adagio cantabile 変ロ長調 4分の4拍子 ③
→Allegro assai ニ長調 4分の4拍子
→Presto / Recitativo ニ短調 4分の3拍子 ④
→Allegro assai ニ長調 4分の4拍子 ⑤
→Alla marcia Allegro assai vivace 変ロ長調 8分の6拍子 ⑥
→Andante maestoso ト長調 2分の3拍子 ⑦
→Adagio ma non troppo, ma divoto 変ロ長調 2分の3拍子
→Allegro energico, sempre ben marcato ニ長調 4分の6拍子 ⑧
→Allegro ma non tanto ニ長調 2分の2拍子 ⑨ Prestissimo ニ長調 2分の2拍子


(調性もコロコロ変わっているのがわかりますね)

拍子感は、作曲家からどのようなまとまりでフレーズを捉えてほしいかの最小単位を示すものであり、曲全体のイメージに大きな影響を与えています。(拍子にも大切なメッセージが込められているのです)

リズム感を養うために、まずは拍子記号をしっかりと確認し、楽曲のテンポやリズムを心に刻んでみてください。

正確な拍子感は良い演奏の出発点となります。

https://www.youtube.com/watch?v=bZuhBc7CCsc
⬆42:10 辺りから第4楽章スタートです。(長編ですね!!)

2. 誤った音符やリズムの読み取りを避ける

楽譜上の音符やリズムを正確に理解することも、演奏において不可欠です。

ここでは、音符とリズムに関する注意点をいくつか紹介します。

  • 音符の種類を見極める: 楽譜にはさまざまな音符があります。四分音符、八分音符、十六分音符など、それぞれの音符は異なる長さを持っています。音符の種類を正確に認識し、適切な長さで演奏できるようにしましょう。
  • リズムパターンとアクセント位置を識別する: 楽譜にはさまざまなリズムパターンが表現されています。初心者が覚えるべきリズムパターンの代表は付点リズムとシンコペーションです。これらのリズムパターンを正確に読み取り、演奏に反映させることが大切です。リズムによってアクセントの位置が変わることがあるので、注意深く確認しましょう。
  • 付点音符を理解する:先に述べたように、付点音符は、音符の長さを通常の1.5倍にする特殊な記号です。付点がついている音符の次の音は拍の刻みとズレが生じます。音符を見逃さずに認識し、正確に演奏できるようにしましょう。


誤って音符やリズムを読み違えると、曲全体が狂ってしまうことがあるので気をつけましょう。

3. 原曲キー(曲全体の調性)と変化(転調)を見逃さない

先程の第九の例でもそうですが、調性(=その曲の持つ性格)は作曲家が表現したい心情や情景、内容に合わせて変化することがあります。



しかも、分かりやすく調号(ト音記号やヘ音記号と拍子記号の間にかかれている♭または#の郡)が変化する場合と、調号としてはそのままなのに、曲の流れの中で知らず知らず変わる場合があるのです。

多くは、クライマックスに向けて盛り上がるところに転調が現れることが多いのですが、敏感にキャッチするためには、和声感を感じることが非常に大切です。

ソルフェージュを教えていると、楽譜は読めるのにこの“和声感”に関しては苦手に思う子どもが多いように感じます。

読譜力・リズム感とはまた異なる育て方が必要です。

4. ダイナミクス(音量)やアーティキュレーション(奏法)を無視しない

楽譜には音符の上にダイナミクスやアーティキュレーションの記号が書かれていることがあります。音符を正確に演奏するだけでなく、音量や奏法にも注意を払いましょう。

これらを無視すると、音楽の表現力が失われてしまいます。

例えば、同じメロディーでも、大きく演奏するのと小さく演奏するのでは印象が異なります。

スタッカート(短く切る)、テヌート(たっぷりと)、アッチェレランド(だんだん速く)など、「どう演奏してほしいのか」が書かれていたり、アパッショナート(情熱的に)、カンタービレ(歌うように)、マエストーソ(荘厳に)など、「どんな気持ちで弾いてほしいのか」も示されています。


作曲家からの大切なメッセージを受け止めて、心を込めて弾きたいですね。

音楽を楽しむために、正確な譜読みは欠かせません。
これらのポイントは『ソルフェージュ』という本質的な学びが、楽譜から立体的な音楽を作る手助けをしてくれます。

正しいソルフェージュ力をつけ、音楽の楽しさを味わいましょう



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