楽譜を読み解くこと・・・それは音の高さやリズムが把握できることだけではありません。
音楽的な演奏の裏付けとも言える学びがソルフェージュ。
様々な角度からアプローチをすることで、楽譜を読むだけでなく、音楽の向こう側にある本質的な部分に触れることができます。
今回は、ソルフェージュがもたらす「意識」の変化について考えてみましょう。
音符の読み方やリズムの理解はどこに結びつくのか
例えば、ソルフェージュの練習である音符の読み方やリズムの理解は、音楽を演奏する際の基本的なスキルです。
しかし、わかるだけでは本質の内容までたどり着きません。
楽譜を読むことが、曲の構造や表現方法の理解➔作曲家の意図を感じ取るに至るまで、
シンプルに本質にたどり着ける方法があります。
それは、「意味」を考えること。
なぜここに休符があるの?(休符にも意味がある)
なぜこのリズムが3回繰り返されているの? (反復パターンにも意味がある)
なぜこの和音でドキドキするの?(和声の変化にも意味がある)
なぜここにアクセントやスタッカートがついているの?(全ての記号にも意味がある)
そう問いかけることで、受動的だった生徒が一瞬で主体的に変わります。
もちろん講師にもきちんと導くべきゴールがあるのですが、
大切なのは「なぜ」を考えることなのです。
ソルフェージュを経験して、多角的に楽譜を見つめることで、静謐なイントロや情熱的なフレーズ、リズムの躍動感、そして感動的なクライマックスなど、曲全体の構造や音楽的な要素を理解しやすくなります。
感性や表現力の根っこを育てる
楽譜を読んで音楽を演奏するという行為は、作曲家との対話とも言えます。
楽譜を読み解きながら、その曲のメロディやハーモニーを演奏するときに、独りよがりでは本質が伝わりません。
先述したようなプロセスを経て作曲家のメッセージや感情に触れ、自らの感性や表現力を加えることができます。
自らの感性や表現力と一言で言っても、これにもきちんとした理論が存在します。
例えば、
音が高くなれば気持ちが高揚してクレッシェンド(だんだん大きく)になる。
低くなれば、デクレッシェンド(だんだん小さく)なる。
1拍目が休符で始まる曲は、強拍がないので強く弾き始めない。
など・・・沢山ありますが、要するに作曲家による音量や弾き方の指示がない場合の[暗黙のルール]があるのです。
しかし中にはあえて、低くなるけどクレッシェンドのように真逆の指示を書き込む作曲家もいるわけです。
楽譜にかかれているからには明確な意図があり、演奏効果が存在するということ。
それを学ぶのもソルフェージュなのです。
自信を持って演奏するために
ソルフェージュは単なる楽譜の読み書きの練習だけではありません。
それは、音楽との深い対話や、意識の変化をもたらすものです。
楽譜の向こう側にある音楽の本質を感じ取り、表現するために、ぜひソルフェージュを学んでみてください。
その経験が、音楽をより豊かなものにしてくれるでしょう。
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