「ソルフェージュ✖︎ピアノレッスン」見学を終えて
デンマークから来日されたピアニストのヨナス先生が、未佳先生の5人の生徒さんのレッスンを見学されました。
マスターとアドバンス講座を受講中の先生方と年中〜小4の5人の生徒さんのレッスンを見学させていただきました。
先生のお声かけ一つで、生徒さんがキラッと変化する瞬間が何度もあり、大変感動いたしました。
うたハノン®︎メソッドにより、読譜も音感もしっかり身についていました。
未佳先生の世界に引き込まれ、どの生徒さんも個性が光り、素晴らしい演奏をされていたのが印象的でした。

4歳男の子(年中)・ピアノ歴3か月
元気でユーモアたっぷりの男の子でした。
トップバッターで少し緊張しながらも、リズムにのせたあいさつでは先生とぴったり息が合い、集中力を発揮していました。
うたハノン®︎では、自分で音符を動かしながら歌うソルフェージュや音名唱が、ピアノ演奏へと自然につながっていて、非常に音楽的な場面が多く見られました。
先生のバリエーション豊かで柔軟な対応により、「静と動」のメリハリがあり、まさに音楽的キャッチボールのようなレッスン。導入期の理想的なかたちだと感じました。

5歳女の子(年長)・ピアノ歴3か月
明るく活発で、まるで小さな天使のような陽気さが魅力的。リズムあいさつでは、ダイナミクスやテンポの違いにも自然に反応できていました。
楽譜を見ながら歌い、弾くことがしっかり定着しており、短期間でここまでの力が育っていることに驚きました。
好奇心旺盛で先に進みたがる場面では、「合格だけどパパに聴かせてあげてね」と優しく声をかけ、スパイラルアプローチで基礎力を定着させている姿勢に学びが多かったです。
同じ導入期でも、前の男の子とは異なる個性へのアプローチが対照的でした。
幼児期の見極め方に気づきがありました

8歳女の子(小2)・バイオリン歴2年&ピアノ歴2か月
「ベートーヴェンと結婚したい!」と語るほど音楽が大好きな女の子。2年間のバイオリン経験があり、ト音記号には自信がある様子。
うたハノン®︎では、スカーフを使い身体を動かしながら非和声音を歌い、そこから演奏へとスムーズに移行していました。全音・半音の感覚も身についており、ピアノ演奏ではメロディーの歌い方に心からの表現が感じられました。
さらに、先生がその場で五線ノートに書かれた「たなばたさま」の即興伴奏づけも見事にこなし、音楽的な成功体験の積み重ねが確実に自信へとつながっているのが伝わってきました。

8歳女の子(小3)・再開2か月
穏やかで繊細な心を持ち、落ち着いた佇まいの女の子。先生の問いかけに静かに頷きながら、丁寧に音と向き合う姿がとても印象的でした。
演奏では美しい音色と確かなテクニック、アナリーゼ力も備わっており、ペダル奏法も耳で確認しながら使い分けていて、高い集中力と忍耐力が感じられました。
未佳先生が一つひとつの心の動きに丁寧に寄り添っているのも伝わってきて、あたたかく深いレッスンだと感じました。

9歳女の小(小4)・移籍1年6か月
芯の強さがあり、コツコツと努力を重ねてきた女の子。弾き歌いでは指揮も取りながら自分の音楽を表現し、アナリーゼや読譜力、テクニックすべてにおいて総合的な音楽力の高さが伝わってきました。
クーラウの演奏では、豊かな音色と表現が光りました。演奏後には彼女にどこが困っているかをヒアリングしながら導くステップを見せていただきました。
先生との丁寧な対話の中で「困っているところ(弾きにくいと感じたところ)」を自分の言葉にして解決していく様子がとても素晴らしかったです。
先生の視点からのアドバイスも加わり、まさに“深まりのあるレッスン”でした。

まとめ
今回の公開レッスンを通して、あらためて感じたのは——
「ソルフェージュがレッスンの芯にあることで、音楽はこんなにも豊かに、深く育つのだ」ということです。
未佳先生のレッスンでは、単に音を“読む”“弾く”のではなく、
「感じて、考えて、表現する」音楽の土台=ソルフェージュが、自然に根づいていました。
うたハノン®︎やリズムのあいさつ、視覚的アプローチや即興的な展開など——
どれもが“音楽のことば”として、生徒の中にしっかり届いていて、
その積み重ねが「自分の音楽を奏でる力」として育っていることに、心から感動しました。
レッスンの締めくくりには、未佳先生が「さくらさくら幻想曲」を、
そしてヨナス先生がご自身で作曲された《子どものための3つの小品》を演奏してくださり、
音楽の“言葉”と“心”が交差するような、あたたかい時間が流れました。
音楽を教えるということ——
それは「楽譜を読む力」を超えて、「音で語る力」を育てることなのだと、
今回のレッスンを通して深く実感しました。
この学びを、私自身のレッスンにも大切に活かしていきたいと思います。
素晴らしい一日を、本当にありがとうございました。